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タコカプセル 〜時と海とおらっちゃを繋ぐ〜 企画展がはじまるよ


「兄貴と子どもの頃、蛸とったなぁ」海で生きてきた男は、亡き兄漁師を思いながらまぶしそうに笑う。また別の男は「親父が蛸漁をしとったから、よう一緒に連れていかれたわ」と話す。

幼かったかつての子ども達はその記憶を風化させることなく、40年以上の年月を過ごしてきたのだ。

 

ひみ漁業交流感 魚々座には、町の人が寄贈した沢山の漁具が集められている。その中にも沢山の蛸壷がある。

そんなたこ壷をみながら、ある日、氷見市島尾の中田さんは言った。「親父の蛸壷が沢山あるから、こんな風にただ置いておくだけでなく、蛸壷海にいれんか?」

そんな一言で、タコプロジェクトがはじまったのだ。

 

島尾の中田さんの倉庫には、様々な種類の蛸壷が置かれていた。瓦ややかんまで蛸壷だという。

かつて島尾では、マダコだけでなく、イイダコ(おでんに入れる小さなタコ)も捕っていたという。イイダコの蛸壷は、アワビなどの貝を2枚合わせて作った蛸壷。しかし、イイダコはこの蛸壷を住処ともしていたので、イイダコ漁が行われなくなった現在は、イイダコもほとんどみられなくなったという。

 

現在、氷見には蛸壷漁師が一人もいない。それは、蛸壺漁が採算が合わないという理由らしい。

私たちは、もっと蛸壷漁のことを知りたくて、石川県大泊地区(富山と石川の県境近く)で蛸壺漁をされてる伊豆さんを訪ねた。

 

伊豆さんは、子どもの頃からタコを捕って遊んでいたという。定年されて現在は、一年を通して蛸漁を行っている。マダコの最盛期は6月末から7月中。5キロのタコが一日で20〜30匹とれるという。また、冬には20キロもあるミズダコが岸の近くまでくるので、それを大きな籠をつかって捕るのだそう。

伊豆さんによると、タコは赤いものに飛びつくとか、きれい好きだから蛸壷が汚れていると入りにくいとか。タコは知れば知るほど興味深い。

タコは、腕が8本、心臓は3つ。とても賢く、人の顔を見分けられるのではないかという研究者もいるというのだ。

 

かつて、海辺の人々は、海に入って様々な海の恵みをとり、海の四季を感じていた。しかし現在は、タコだけでなく牡蠣もアワビも、テングサも、第1種共同漁業権で、一般の人はどんな方法でも捕獲してはいけないものとなってしまった。

「海は眺めるためだけのものではない」。

人と海との文化をもっと探れるのではないかと、タコをテーマにした企画展を行う(企画・運営:アートNPOヒミング)。

今回は氷見小杉沖で行われる蛸漁に密着させていただき、昔は身近だった蛸獲りを通して人が海と向きあう記録を展示する。

蛸壷が、海に潜るカプセルとなり「人と海」「過去と今」をつなぐ。

 

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