image003

海辺の商店街暮らし 第0話 〈シリーズ予告編〉


ある朝、少し早く目が覚めた。

窓から差す明かりはわずかだけれど、昨夜降っていた雨が上がったことを思わせる。

ベッドから抜け出すと、4月とはいえ北陸の朝はまだ寒い。ハンガーラックから上着を手繰り寄せ羽織ると玄関に向かう。扉を開けると階段、それを降りるのでなく上がる。自室がある2階から、狭くて少し急な階段を2周り。現れた扉を開けると、目の前には静かなまちが広がっている。そして振り返れば海がある。

image001

並ぶ町家の瓦屋根、唐島、阿尾城跡、朱色に染まる水平線。

これが新しい日常になった。

 

……と、こんな風に書くと少し格好付けすぎていてるのだけれど、ともかく僕はこの春から海辺の商店街に引っ越してきた。氷見に来てからは2年、これまでは谷あいの農漁村にも住んだし、落ち着いた住宅地にも住んだ。それぞれ理由があってのことで、気まぐれに転居を繰り返しているわけではない。今回ここに引っ越したのも一口には語れない多くの理由があってのことだ。

けれど今回は、なにより個人的な感情がより強く働いている。

氷見に来て以来、仕事の都合もあって商店街とはずっと接点を持ってきた。たくさんの人のお世話になり、道を歩けば声をかけてもらえるようになった。プライベートで食事やお酒に誘われるようにもなった。

そんなこんなで、客観的に見てシャッターの降りた店が多くて(あえて直截にいえば)寂れつつある商店街なのだけれど、僕はこのまちと、このまちに住む人々が好きになったのだった……

image003


 

引っ越ししたてでまだ荷解きもままならない状態ですので、とりあえず今回はここまで。

次回からは、思い入れがいっぱいのこの商店街で過ごしていく日常を少しずつ紹介していきたいと思います。

image006

(ほどほどに)乞うご期待!

4月某日、中央町より感謝をこめて。